取説・マニュアル作成の基本

多言語の動画制作の料金相場は?動画制作会社に依頼すべき?流れや注意点を解説

2025.06.24

多言語の映像翻訳・動画制作の料金相場一覧!

グローバルな展開を考えるなら、多言語対応の映像翻訳や動画制作は欠かせません。 とはいえ、どれくらいの費用がかかるのか気になる方も多いはず。 ここでは、字幕翻訳・吹き替え翻訳・ボイスオーバー翻訳といった主要な翻訳スタイルごとに、料金の目安をご紹介します。 費用感を把握して、目的に合った方法を選ぶ参考にしてください。

字幕翻訳の料金

字幕翻訳の一般的な料金相場は、「1分あたり1,000〜3,000円」が目安。

この価格には、翻訳だけでなく、字幕の表示タイミングの調整(タイムコード作成)やテキストの読みやすさへの配慮も含まれます。

翻訳言語や専門性(医療・法律など)、納期によっては料金が変動する点に注意しましょう。

例えば、10分の企業紹介動画を英語に字幕翻訳する場合、シンプルな内容であれば1万円前後で対応可能ですが、技術的な説明が多い動画だと2万円以上になることもあります。

字幕翻訳は、YouTubeなどのSNSやウェブ動画では、コストを抑えつつ多言語展開したい場合に最適といえるでしょう。

吹き替え翻訳の料金

吹き替え翻訳の相場は、「1分あたり4,000〜10,000円」が一般的。

この金額には、翻訳、スクリプト調整、ナレーター・声優の手配、録音、音声編集(ミキシング)などの作業が含まれます。言語数が増えるほど、コストも比例して上がります。

15分のプロモーション映像を英語とスペイン語で吹き替える場合、トータルで10万円〜30万円ほどが目安となります。

使用する声優のグレード(有名声優か一般ナレーターか)でも料金に差が出ます。

吹き替えは、感情やニュアンスをダイレクトに伝えられるため、エンタメ系コンテンツや子ども向け動画など、没入感が求められるシーンで特に効果的と言えるでしょう。

ボイスオーバー翻訳の料金

ボイスオーバーの料金相場は「1分あたり3,000〜6,000円」程度で、吹き替えよりはややリーズナブル。

ボイスオーバーでは、翻訳ナレーションを録音し、オリジナルの音声にタイミングを合わせて重ねる作業が必要です。映像内の会話を完全に置き換えるわけではないため、制作時間も比較的短く済みます。

たとえば、企業のインタビュー動画(5分程度)にボイスオーバー翻訳を追加する場合、15,000〜30,000円ほどが目安。ナレーターの質や言語によっては多少の増減があります。

ボイスオーバーは、情報の正確な伝達とコスト抑制を両立したい場合に適しており、ビジネス動画や学習教材などに幅広く使われています。

多言語の動画制作は誰に依頼すればいい?

多言語対応の動画を作る際、最初に迷うのが「誰に依頼するべきか」という点です。 翻訳の質、制作のスピード、コストなど、依頼先によって得られる成果も大きく変わります。 ここでは、主な依頼先である「翻訳会社」「動画制作会社」「フリーランス」の特徴と、それぞれに向いているケースをご紹介します。

翻訳会社

正確な翻訳と品質重視で選ぶなら、翻訳会社が安心。

特に、専門用語が多い業種や、法的・技術的に正確性が求められる動画には向いています。

翻訳会社は多言語対応に特化しており、ネイティブチェックや校正、用語の統一などの品質管理体制が整っています。また、字幕翻訳・吹き替え・ボイスオーバーなど、翻訳スタイルに応じた提案も受けやすいことも特徴。

医療、法律、ITなどの専門的なジャンルでは、ネイティブによるダブルチェックや用語の整備が必要になるため、翻訳会社の強みが活きます。

多言語への一括対応も可能で、翻訳に関して不安がある場合には最も安心できる依頼先です。

動画制作会社

企画から完成までを一貫して任せたいなら、動画制作会社が便利。

翻訳だけでなく、構成、撮影、編集、ナレーションの収録まで一手に引き受けてくれるため、依頼側の負担が少なく済みます。

海外展開を前提とした商品紹介映像や企業VPなど、ブランディングの観点からも映像の質にこだわりたい場合に適しています。

また、翻訳作業も提携先の言語専門家に委託するなど、体制が整っている会社が多く、品質の安定性も期待できます。

制作全体をまとめて依頼できるため、プロジェクト管理の手間を減らしつつ、映像の完成度も高めたい方にとって非常に心強い選択肢です。

フリーランス

コストを抑えながら柔軟に進めたいときは、フリーランスへの依頼が良いでしょう。

動画の一部のみを依頼したい場合や、短納期で個別対応を求めるケースで特に重宝されます。

実際に、社内で撮影と編集を済ませたうえで、英語字幕の翻訳だけを依頼するなど、部分的なアウトソーシングによってコストを最小限に抑える運用も可能です。ただし、品質や納期の安定性は個人に依存するため、依頼前の実績確認は必須です。

少量案件や試験的なプロジェクト、あるいは限られた予算のなかで多言語対応を進めたい企業には、フリーランスとの協業が最適です。

多言語の動画制作を会社に依頼する流れ

多言語の動画制作をスムーズに進めるためには、依頼から納品までの全体的な流れを把握しておくことが大切です。各ステップの役割を理解しておくことで、無駄なやり取りを減らし、完成度の高い動画を効率よく制作することができます。ここでは、一般的な制作フローを順を追ってご紹介します。

①問い合わせ

動画制作の第一歩は、会社への問い合わせから始まります。目的や希望言語、動画の長さ、納期などを伝えることで、初期見積もりや対応可能なサービスの確認が可能になります。

この段階でしっかりと情報を共有しておくことで、後のトラブルや認識のズレを防げます。動画の完成形に近いイメージを伝えることが、スムーズな進行の鍵となります。

予算や目的に合った最適な提案を受けるためにも、初回の問い合わせはできるだけ具体的に行いましょう。

②契約

見積もり内容に納得できたら、契約を結んでプロジェクトが正式にスタートします。契約書には、納期、料金、納品形式、修正回数などが明記されるのが一般的です。

このステップで取り決めが曖昧なままだと、後々のトラブルの原因になります。特に、翻訳精度や対応言語数、音声収録の有無といった点は事前にしっかり確認しておきたいところです。

不安がある場合は、契約前に仕様書を取り交わすと安心です。明確な合意をもって、安心して制作に入る準備が整います。

③動画の文字起こし

翻訳作業の前に、元の動画の音声をテキスト化する「文字起こし」が行われます。これは、字幕・ナレーション制作のベースとなる重要な工程です。

正確な文字起こしができていないと、誤訳や字幕のズレといった問題が起きるため、翻訳前の品質を左右する土台といえます。専門的な内容の場合は、用語の正確性にも注意が必要です。

この段階で内容を見直しておくことで、後工程の修正リスクを減らし、全体の効率を高めることができます。

④翻訳作業

文字起こしされたテキストをもとに、各言語への翻訳がスタートします。ネイティブ翻訳者や専門分野の知識を持つ翻訳者が担当することで、自然な表現と高い精度を確保します。

翻訳は単なる直訳ではなく、文化や表現の違いを考慮した「ローカライズ」が必要です。そのため、翻訳者の選定やチェック体制が仕上がりに直結します。

プロジェクトに応じて、訳文のレビューや複数人によるダブルチェックが入るケースもあります。ここで丁寧に作業されることで、視聴者に伝わる動画が完成します。

⑤字幕やナレーションの差し替え

翻訳が完了したら、字幕の挿入やナレーションの差し替えが行われます。字幕は動画に合わせて正確にタイミングを調整し、読みやすく配置されます。ナレーションの場合は、プロのナレーターによって収録されることが一般的です。

この作業は視聴体験に大きく影響します。字幕が読みづらかったり、ナレーションのテンポが合っていなかったりすると、内容が伝わりづらくなってしまいます。

各言語ごとに適した表示や音声に仕上げることで、多言語動画としての完成度がぐっと高まります。

⑥編集と最終調整

字幕や音声の挿入後は、全体のバランスを見ながら編集と調整が行われます。映像と音声のズレを直したり、デザイン要素を調整したりすることで、視聴しやすい動画に仕上げます。

ここで手を抜かずに細部まで仕上げることで、プロらしい完成度を実現できます。特に、言語ごとの字幕表示のズレや音質の調整などは、見落とされがちなので慎重な作業が求められます。

最終チェックまでしっかり行うことで、クオリティの高い多言語動画が完成します。

⑦納品

すべての作業が完了したら、納品フェーズに入ります。指定の形式(MP4、MOVなど)で動画データが納品され、多言語展開がすぐに可能になります。

納品時には、必要に応じて各言語ごとの字幕ファイルや、音声データを個別で提供してもらえる場合もあります。また、簡単な修正であれば、このタイミングで対応してもらえることも。

納品物の確認を終えたら、プロジェクトは完了です。今後の展開や別言語対応の相談も、この時点でしておくとスムーズです。

多言語の動画の動画制作会社を選ぶときのポイント

多言語対応の動画制作を依頼する際は、制作会社の選び方が仕上がりや成果に大きく影響します。言語数が増えるほど、翻訳やナレーションの質、ローカライズの対応力が問われるため、どの会社に任せるかは非常に重要です。後悔しないためにも、以下のポイントをしっかり確認しておきましょう。

対応言語を確認する

まず最初に確認すべきは、希望する言語に対応しているかどうかです。多言語と言っても、全ての言語をカバーしている制作会社は限られており、英語・中国語・韓国語などのメジャー言語に強い会社もあれば、東南アジアやヨーロッパのマイナー言語に特化している会社もあります。

もし将来的に他の言語への展開も見込んでいるなら、対応言語の幅広さは大きなアドバンテージになります。あらかじめ確認しておくことで、後から別の会社に依頼し直すといった無駄を避けられるでしょう。

実績・過去の事例を確認する

次に重要なのは、その会社が過去にどんな多言語動画を手がけてきたかという点です。言語の正確さだけでなく、ターゲット国の文化や視聴者に合わせた表現になっているかを見ることで、その会社の対応力やセンスがわかります。

事例を見れば、制作のクオリティだけでなく、業種との相性やクリエイティブの方向性も把握できます。特に自社と同じ業界や市場に向けた事例があれば、安心して依頼しやすくなります。

価格と納品内容を確認する

多言語動画制作は、言語数が増えるごとにコストが上がる傾向があります。そのため、見積もりの段階で「何にいくらかかるのか」を明確にしておくことが不可欠です。翻訳費、ナレーション費、字幕追加、編集の手間など、費用の内訳が分かれているか確認しましょう。

また、納品されるデータの内容も要チェックです。たとえば「英語版だけ動画ファイルで、他言語は字幕データのみ」といったケースもあります。納品後の運用方法をイメージしながら、必要な形式が揃っているかを見極めてください。

修正・サポートの有無を確認する

多言語の動画制作では、初回納品後に細かな修正が発生することがよくあります。その際に、どこまで対応してもらえるのかを事前に知っておくと安心です。修正回数に制限があるのか、納品後の言い回し変更に追加費用がかかるのかといった点を確認しておくと、後々のトラブルを防げます。

さらに、動画公開後の運用サポートや追加言語への対応など、長期的なサポート体制がある会社なら、継続的なプロジェクトにも柔軟に対応してもらえるでしょう。制作後も安心して付き合えるかどうかは、選ぶうえで大きな判断材料です。

多言語の動画制作を依頼する時の注意点

多言語対応の動画制作は、通常の映像制作と比べて考慮すべきポイントが増えます。翻訳精度だけでなく、文化的背景や音声の相性なども仕上がりを左右するため、注意点を理解した上で依頼することが大切です。

文化や国による表現の違いに配慮する

一つの表現でも、国や地域によって受け取られ方がまったく異なることがあります。たとえば、ジョークや比喩表現、日本特有の価値観が含まれるセリフは、海外の視聴者に正確に伝わらないことがあります。

そのため、ただ翻訳するだけでなく、各国の文化に合ったローカライズを行うことが重要です。現地の感覚を理解した翻訳者やネイティブチェック体制のある制作会社に依頼することで、トラブルを未然に防げます。

音声やナレーターは動画に合うものを選ぶ

翻訳が正確でも、ナレーターの声や話し方が動画の雰囲気に合っていないと、視聴者の印象にズレが生じます。特に感情を伝えるコンテンツやブランドイメージが重要な動画では、声のトーンやスピード、発音のクセまでこだわる必要があります。

動画の内容や目的に応じて、信頼できるナレーターや音声を選ぶことが、伝わる映像を作る鍵になります。事前にデモ音声などを確認できると、納得のいく仕上がりに近づけられるでしょう。

追加費用の発生する場合がある

多言語対応の動画制作では、当初の見積もりに含まれていない追加費用が発生するケースがあります。たとえば、「修正対応が1回のみで、2回目からは有料」「後から別の言語を追加したい」など、柔軟な対応を希望するほどコストは増加します。

予算内に収めるためには、事前に可能な限り詳細な要望を伝え、見積もり内容をしっかり確認しておくことが欠かせません。曖昧なまま進めると、想定外の出費につながりかねません。

【まとめ】多言語の映像翻訳・動画制作の料金相場

多言語対応の動画制作にかかる費用は、動画の長さ、言語数、翻訳の難易度、ナレーションの有無などによって大きく変動します。おおよその相場としては、1言語あたり5万〜15万円前後が一般的ですが、クオリティを求めるほど費用も高くなります。

たとえば、3分程度の動画を3言語で制作する場合、翻訳・字幕・ナレーションを含めて総額30万〜50万円ほどが目安です。ただし、すでにある映像に字幕を追加するだけならコストは抑えられます。

コストだけにとらわれず、「誰に」「何を」「どう届けたいか」を明確にした上で、目的に合った制作会社を選ぶことが、費用対効果の高い多言語動画につながります。

   

おすすめの記事

マニュアルCMS

WordPressを活用したマニュアル作成支援システムの選び方と使い方

INDEXなぜオンラインマニュアルにWordPressを選ぶべきか?WordPressの概要とCMSとしての強み使いやすさ柔軟性コミュニティサポートなぜマニュアル作成にWordPr...

WordPressを活用したマニュアル作成支援システムの選び方と使い方

『マニュアルのすべて』 運営会社
株式会社テックス

取扱説明書などのマニュアル類の制作や、世界40ヶ国語に対応する多言語翻訳、Webページ/Webマニュアルの制作、
カタログ・パンフレットなどの販促物の制作、CGを駆使した製品紹介動画の制作など。
産業機器から家電製品まで技術に強いドキュメンテーション制作会社です。

関連記事

  • 取説・マニュアル作成の基本 NEW

    多言語の動画制作の料金相場は?動画制作会社に依頼すべき?流れや注意点を解説

    INDEX多言語の映像翻訳・動画制作の料金相場一覧!字幕翻訳の料金吹き替え翻訳の料金ボイスオーバー翻訳の料金多言語の動画制作は誰に依頼すればいい?翻訳会社動画制作会社フリーランス多...

    多言語の動画制作の料金相場は?動画制作会社に依頼すべき?流れや注意点を解説
  • 取説・マニュアル作成の基本

    チーム全体で共有するマニュアルが生む協力体制の強化

    INDEXメリットと効果業務の属人化防止生産性向上信頼関係の強化最新技術の活用AIとクラウドシステムによる効率化トレーニングと効率化共有マニュアルによる新入社員の早期戦力化コミュニ...

    チーム全体で共有するマニュアルが生む協力体制の強化
  • 取説・マニュアル作成の基本

    新しい働き方に適応するためのマニュアル導入事例

    INDEXリモートワークやハイブリッドワークの普及に伴い、新しい働き方に適応するためのマニュアルが企業で重要視されています。本記事では、企業が新しい働き方に合わせて導入したマニュア...

    新しい働き方に適応するためのマニュアル導入事例

おすすめの記事

マニュアルCMS

WordPressを活用したマニュアル作成支援システムの選び方と使い方

INDEXなぜオンラインマニュアルにWordPressを選ぶべきか?WordPressの概要とCMSとしての強み使いやすさ柔軟性コミュニティサポートなぜマニュアル作成にWordPr...

WordPressを活用したマニュアル作成支援システムの選び方と使い方
会員登録して資料をダウンロード

会員登録して資料をダウンロード

「Webマニュアルの最新事情(2024年最新版)」

アクセスランキング

  • 1

    企業の信頼を高める品質管理

    製造物責任法(PL法)対応マニュアルの作成法

    INDEX1. 製造物責任法(PL法)対応マニュアルの作成法とは製造物責任法(PL法)とはPL法対応マニュアルの重要性2. 製造物責任法(PL法)の基本概要PL法の目的と施行背景製...

    製造物責任法(PL法)対応マニュアルの作成法
  • 2

    マニュアルCMS

    WordPressを活用したマニュアル作成支援システムの選び方と使い方

    INDEXなぜオンラインマニュアルにWordPressを選ぶべきか?WordPressの概要とCMSとしての強み使いやすさ柔軟性コミュニティサポートなぜマニュアル作成にWordPr...

    WordPressを活用したマニュアル作成支援システムの選び方と使い方
  • 3

    マニュアル作成の具体例と実践方法

    【取扱説明書】成功する取扱説明書の作成ポイント

    INDEX取扱説明書の役割と重要性読者目線での設計の重要性2. 取扱説明書の基本要素読者目線での構成と流れ明確な見出しと構造化された情報簡潔で平易な言葉遣い3. 視覚的要素の活用図...

    【取扱説明書】成功する取扱説明書の作成ポイント

PAGETOP